偽SanDiskの見分け方
私の使用しているNikon D70及びD200の使用するメディアは、どちらもCF(コンパクト・フラッシュ)カードです。
現在はTranscendのCFカードを使用していますが、以前はSanDiskを好んで使用していました。
ある日Yahoo!オークションで新しいCFカードを物色していたところ、やけに安いSanDisk UltraIIが出品されていました。
大量に撮影するであろうイベントが間近に迫っていたので、「ひょっとするとB級品かも知れない」とは思いつつも、
安い金額で入札してみました。
意外なほどの安価で落札したのですが、送られてきたメールの文章も怪しく、とてもまともな日本人が書いたとは思えない文章でした。
こんにちは 今回は落札して頂きありがとうございます。 これからお取引完了まで宜しくお願いします。 ★ご来信の際お名前の上にカタカナも書いていただくよう、お願いいたします。(振込人名は片仮名)★ 早速ですがおふりがな、名前、商品の送り先、お電話番号をお知らせください。 振込みのはこちらにおねがいします。 |
忙しいですから、不便に電話にでません。すみません。 何か問題あったら、メールの方お願いいたします 発送してから少し時間がかかります。(7-10日間) また、仕事の関係上ご連絡が遅れる場合があります。 ご不便をおかけいたしますが、宜しくお願いいたします。 ご連絡お待ちしております。 |
連絡先は関東地方でしたが、振込先に指定されたのは九州地方の地方銀行の口座でした。
どきどきしながら送金してみました。
こんにちは 商品のだいきんはもう 手に入ました。5月11日 、貨物をおくりだしてくれます 。 7日-10日間ぐらい とどける予定です。 有難うございます。 |
「おくりだしてくれます」「7日-10日間ぐらい」???
どういう意味なのかと思っていましたが、届いた箱を見て納得。
発送元は中国でした。
パッケージや中身を見ただけで真贋の判断を付けにくいのではないでしょうか。
本物のSanDisk UltraIIを所有しているので、それと並べてみます。
カードには銀色のシールが貼られ、さらに一枚シールが貼られています。
この銀色のシールの四隅のカットのされ方に違いがあり、本物の方が丸みを帯びています。
本物 | 偽物 |
カード側面の印刷が偽物にはありませんが、本物にはここに製造番号が印刷されていることを知らなければ気づかないでしょう。
カードをカメラに入れてフォーマットしてみると、特に問題なく使用できます。
しかし、やはり書込速度が遅い気がします。
カードをCardBus接続のPCカードアダプタ(BUFFALO PC Card Adapter RCF-CBA2)を介してパソコンに接続して、
ベンチマークソフト(FDBENCH)で計測してみました。
計測するたびに結果は若干変化しますが、劇的に変化することはありませんので1回しか計測していません。
これは私の使用しているPC環境における、計測結果の一例です。
カメラ雑誌等では、カメラにカードを入れてシャッターを切り、アクセスランプが消灯するまでの時間を計測する、
という手法が採られています。
これだと実使用時に近い環境でのスピードを比較できます。
しかし私には、ストップウォッチを握りしめアクセスランプを凝視する忍耐力はありません。
それに、計測誤差も大きくなります。
順位づける必要があるのは理解できますが、1/100秒単位の無意味な計測結果を公表するのは正気とは思えません。
KByte/Sec | ReadWrite | Read | Write | Random Read | Random Write |
---|---|---|---|---|---|
本物 | 8,883 | 11,749 | 9,563 | 11,205 | 3,016 |
偽物 | 3,406 | 4,572 | 3,028 | 4,510 | 1,514 |
全体的に3〜4割程度のスピードしか出ないようです。
カードをPCMCIA接続のPCカードアダプタを介してパソコンに接続して、プロパティを確認してみました。
本物は「SanDisk SDCFH-1024」と表示されますが、偽物は「HYPERSTONE FLASH DISK」と表示されます。
本物 | 偽物 |
なお、上記のようにプロパティを確認する場合は、CardBus接続のPCカードアダプタやUSB接続のカードリーダを使用せず、
PCMCIA接続のPCカードアダプタを使用して下さい。
本物を入れても"SanDisk"と表示されません。
さらに見比べたところ、決定的な違いを発見しました。
左下にある"SanDisk"の"k"の字体です。
本物 | 偽物 |
偽造紙幣を作る人たちは自分たちだけが見分けられるよう、意図的に本物と違う箇所を用意するそうです。
この"k"も見分けるポイントの一つなのかも知れません。
この偽SanDiskですが、1年ほど使用した限りではデータが消えるようなこともなく、遅いながらも意外に安定していました。
現在では偽SanDiskよりも高速なCFカードが安価で販売されています。
このページを作成したのを機会に、偽SanDiskのCFカードも廃棄してしまいました。
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